起業家・経営者の生き方を知る。
私たちの生活を根本から変えてしまったApple創業者スティーブ・ジョブズ氏の伝記や、今も世界を変え続けているイーロン・マスク氏の本など、世の中には数多くの伝記本が出版されている。
ビジネス界のアーティストとも言える天才経営者の生き様を垣間見ることで、私たちの生活に新たな価値観が生まれることは間違いない。
年間200冊以上本を読むわたしが、今まで読んできた起業家の自伝の中で、心からオススメできる書籍を紹介したいと思う。
定番中の定番。世界中の経営者が憧れる経営者
1冊目からベタベタの定番で申し訳ない。定番だとわかっていても、この本を一番最初に紹介させてもらいたい。その理由は、この本がきっかけで、わたしは正社員という人生を捨て、自分で事業を行うという道を選んだからだ。
天才と変人は紙一重?
この本には、スティーブ・ジョブズの身勝手な行動や奇妙な行動が至るところに綴られている。天才というのは、常人には理解できない行動を起こすものだが、彼も正に変人という言葉が似合う人物だった。
異常な偏食であり、禅などのスピリチュアルな世界に傾倒し、他人の気持ちなんて全く考えない。そんな変人スティーブの振る舞いを、是非本書で垣間見て欲しい。
直感を信じる
スティーブを語る上で、最も重要な要素の1つである「直感」。彼は若い頃にいったインド旅行で、論理ではなく直感に従って生きている人達に触れ、直感を信じることの重要さを体験した。論理的思考が中心の西洋世界に、直感という抽象的な思考を取り入れることで、彼はコンピュータなどの機械に人間味を持たせることが出来たのだ。
データ分析・ロジカルシンキングといった論理的思考がもてはやされている昨今。わたしたちは、転職や結婚などの人生の大きな選択を年収や経歴などのデータを元に選択していないだろうか?
年収や世間の目を気にせずに、心からやりたい仕事を直感に従って選択しているだろうか?「本当はこの仕事をやりたくない・・・」という本心を押し殺していないだろうか?
直感に従い、自分の人生をかけるべき仕事を見つけ続けた彼の人生に触れて、自分の本当にやりたいことを見つけてもらいたい。
専門的な用語が多いが、読み飛ばして構わない
この本には、PCのメモリやPCの型番など、専門的な用語が数多く登場する。恐らく、IT業界に身を置いているか、ガジェットに興味がある人以外は読みづらく感じるだろう。
わたしからのアドバイスとして、そういった専門用語は飛ばし読みしてもらって構わない。一番大事なポイントは、スティーブという人間が、どういう思考で、どういった行動を起こし、どのように世の中をアッと言わせるようなプロダクトを作ってきたかだ。
ハンデに負けずに戦い続ける起業家【現代版龍馬伝】
わたしたちに馴染みの深いソフトバンクの創業者孫正義氏の伝記。ソフトバンクという企業と創業者の孫正義という名前は知っているとは思うが、彼がどのような人物かをご存知だろうか?
ひどく貧乏な幼少時代
孫さんは在日韓国人として九州に生を受けた。幼少時代の彼の家庭はあまりの貧しさから、違法住居にしか住むことができず、住所すらなかったというから驚きだ。
そんな貧困に負けず、圧倒的な努力で日本一のIT企業を作ってしまった彼の生き方は必見に値する。
裕福な家庭に恵まれず劣等感を感じている方は、真っ先にこの本を読んで欲しい。生まれた環境に関わらず、圧倒的な努力を武器に出世していく孫正義氏の人生は、正に現代版龍馬伝である。
わたしも「貧乏に生まれても、自分の力で人生を変えられると証明したい」という信念のもと、事業を行っている。そのため、彼の生き方は非常に刺激になる。仕事で心が折れそうになった時に、なんども読み返して、自分を奮い立たせてくれる1冊だ。
学生時代の孫さんに注目してもらいたい
他の起業家の本は、事業を興し、大きくしていく過程にフォーカスして、物語が進められていることが多い。しかし、この「志高く」は、孫さんの学生時代に多くのページを割いている。
というのも、孫さんが大成功した大きな要因は彼の学生時代にあるからだ。
英語もまともに使えないのに3週間でアメリカの高校を卒業し、アメリカの名門カリフォルニア大学バークレー校を優秀な成績で卒業。大学を卒業するまでの間に、電子辞書を発明し1億円を稼ぎだし、アメリカでゲーム事業を起業して成功。
これだけの偉業をたった数年間の間に20歳前後の若者がやり遂げたのである。常人ならば、一生を費やしてもこれだけ偉業を果たすことはできないのではないだろうか?
学生時代から1分1秒を無駄にしなかった彼の生活が鮮明に描かれている本書は、毎日なんとなくサークル活動やバイトをしている大学生にもオススメしたい。
孫正義の成功を語るうえで、行動力は切っても切れない存在
学生時代に学業・事業ともに大成功をおさめ、日本に帰国後も破竹の勢いでソフトバンクを拡大していった孫正義氏。彼の成功の要因を語る上で、「行動力」は不可欠な存在だ。
人種差別に苦しみながらも、貧困という逆境にも負けずに、持ち前のガッツと行動力で自分の人生を切り開いてきた偉大な起業家の人生を知り、私たちも己の人生に責任を持たなければならないのではないだろうか?
宇宙規模のスケールで経営をする起業家
イーロン・マスクという人物をご存知だろうか?
彼は現在でも多くのユーザーに使用されているペイパルの創業メンバーであり、民間企業にしてスペースシャトルの打ち上げに成功したスペースX、数多くのセレブに愛用される電気自動車を販売するテスラモーターズ、太陽光発電を事業化しているソーラーシティを同時に経営するシリアルアントレプレナーである。
1つの企業を経営するだけでも一般人である我々には至難の技である。しかし、彼は世界レベル(もっと言えば宇宙レベル)の企業を複数経営している。そんな、不可能とも思える偉業を成し遂げ続けている彼の働き方を知れば、わたしたちも働き方を改めざるを得ないだろう。
猛烈な働きぶり
どの起業家や経営者も、みな尋常じゃないぐらい働く。イーロン・マスクにいたっては、創業当初から現在まで、週100時間近く働き続けている。
それだけ多くの時間を働く彼らのことを、「才能があるから、仕事がうまくいって、それだけ働いても辛くないのでしょ?」と思うかもしれない。しかし、彼は創業当初を振り返って「ガラスを食べ、地獄の底を覗き込む毎日」と語っている。
私たちは、それだけの想いをしてまで働き続けることができる仕事をしたことがあるだろうか?
物事を原理から理解しようとする
本書でも紹介されているイーロン・マスクの特徴は、「物事を原理から理解しようとする」ことだ。学生時代から物理学を専攻し、優秀な成績をおさめていた彼らしく、物事の本質を理解することに余念が無い。
例えば、彼は、民間では不可能と言われた宇宙事業を開始するために、図書館のスペースシャトルに関する本を読み込んだ。そして、スペースシャトルの構造や素材、仕組みを理解することによって、民間で安価にスペースシャトルを開発することができると確信したのだ。
彼が作った宇宙事業会社スペースXは、安価で制作したロケットの打ち上げに成功している。
私たちは、ビジネス書やエクセルのテクニック集など、小手先の表面的な技術ばかり習得しようとしていないだろうか?
人との関わりの本質、データの本質的な意味など、もっと原理を理解する努力をすることによって、仕事に対する向き合い方が変わってくる。
不良娘のサクセスストーリー
スティーブ・ジョブズ、孫正義、イーロン・マスクと有名どころを3人紹介したところで、あまり有名ではない起業家を紹介したいと思う。
その起業家の名前はソフィア・アモルーソ。フォーブス誌が選ぶ、「30歳未満で、最もファッション界に影響がある女性30人」に選ばれた女性だ。
万引きやゴミ拾いをして生活していた彼女が、瞬く間に100億円企業を創りあげた様子が描かれている。
万引き、ゴミ拾い。経営者とは程遠い存在
彼女の10代のときの生活はひどいものだった。本屋さんで万引きをして、ゴミを拾い、社会に反発をする毎日。彼女の事業のキッカケとなったebay(オークションサイト)で初めて販売した商品も、盗品である。
そんな不良少女が、いかに短期間の間で、世界的に影響力のある女性経営者になったのか?その真相をこの本で知って欲しい。
借入なしで会社を成長させた
盗難をしていた彼女は当然のごとく、クレジットカードすら作れなかった。そんな彼女が会社を経営するとなったら、どこもお金を貸してくれない。服を仕入れて保管しなければならないファッション系の会社を経営する彼女にとって、借り入れができないというのは、大きなハンデだ。
社会的信用がなく、借入ができない彼女が、手元にある現金だけで、工夫をして売上を拡大していく様子は、ビジネスに携わる人間にとって参考になること間違いない。
「お金がない」「学歴がない」「社会での経験がない」とないものにフォーカスして、アイデアを行動に移さないビジネスマンは、彼女の工夫と行動力を見習って欲しい。なにもない不良少女でも、世界的な企業を創りあげることができたのだから、誰にでもチャンスはあるはずだ。
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