波の上の魔術師
『ビッグマネー! 〜浮世の沙汰は株しだい〜』という名前でTVドラマ化もされた石田衣良さんの「波の上の魔術師」。友達が「面白いし、RARAなら絶対好きな作品だから、絶対読んで!」とオススメしてくれたので、試しに読んでみました。
「もー、最高に面白かったです!」笑
小説って移動時間とか、お風呂の時間とかを使って少しずつ読み進めるタイプなのですが、あまりの面白さに、一気に最初から最後まで読んでしまいました。0時ぐらいに読み始めて、4時ぐらいまでかけて一気に読んでしまいました。
「夢中になって、気づいたら朝になっていた」という体験を久しぶりにしました。そんな、時間を忘れて楽しめたこの作品を、紹介したいと思います!!
天才投資家の指導で、ダメプータローが一流投資家になっていく
この作品の主人公である白戸は、就職できずにパチスロに精を出す典型的なダメ人間だった。しかし、ある日、伝説の投資家である小塚老人に才能を見出され、小塚老人のもとで投資の修行をすることになります。
最初は全くダメダメだった白戸も、伝説的な相場師である小塚のおかげで、一人前の投資家に成長していきます。
師匠と弟子の関係である、白戸と小塚老人の人間関係がこの作品の見所の一つです!
投資のヒントになる考え方も紹介されている
天才相場師である小塚老人の教えは、私たちの世界の投資でも使える知識です。小説を楽しみながら、投資の勉強もできます。
例えば、「毎朝新聞を全部読み、注目する銘柄の値段の変化を記録する」という小塚老人の教え。これは、某超大手証券会社の新入社員も実践している勉強法です。全国のニュースと特定銘柄の値段を追うことで、相場観を養うことができます。
普段、FXや株式投資などの投資をしている人は、投資のモチベーションアップと知識向上のためにも、この本を読むことをオススメします!
サブプライムローン問題が原因のリーマンショックが起こった後の今だからこそ、読んで欲しい
老人たちの資産を食い潰すことをわかっていたにも関わらず、危険な保険商品を売り歩いたまつば銀行。その銀行を、知略の限りを駆使して打ち倒す小塚老人と白戸青年。小塚老人が仕掛ける攻撃と、それをモロに食らってドンドン株価が下がっていくまつば銀行。その戦いの様子は手に汗握ります。
その危険な商品を売り歩いて、経済的弱者を食い物にする様子が、リーマンショックを引き起こしたサブプライムローンを売り歩いたアメリカの企業に重なります。サブプライムローンも、返済ができない低所得者に、危険なローンを売り歩いて、最終的には低所得者から唯一の資産である家を奪い取る結果になりました。
リーマンショック以前に書かれたこの作品ですが、リーマンショックが起こった後の今だからこそ読んで欲しいです。
にやりとする結末
「自分のような人生を歩む必要はない」と諭す小塚老人。しかし、白戸青年は知らず知らずのうちに、小塚老人に影響された人生を歩んでいきます。最後には、にやりとするようなハプニングも仕掛けてあります。是非、そのサプライズに驚いて下さい!
すべての大人に読んで欲しい作品
ビジネス的な内容を多く含む作品なので、学生が読んでも面白く無いかもしれません。しかし、社会で働くビジネスマン・ビジネスウーマンにとっては、非常に面白い作品です。
小説の長さは、文庫本で300ページぐらいと、4,5時間もあれば読める量です。是非、小塚老人と白戸青年の戦いと成長を楽しんで下さい!!
波の上の魔術師
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