ブログマーケティングのお手本
自社でブログを運営するかどうかで、売上や商品の認知度は大きく変わってくる。資生堂やコカコーラなどのような大手企業も、自社ブログの重要性に気づき、自社メディアを展開している。
自社のブランド認知度を高め、顧客をあなたの会社のファンにするというコンテンツマーケティングの核となる媒体が「ブログ」である。
動画やebook、セミナーの開催など、様々なコンテンツの種類があるが、それらのコンテンツを発信するハブの機能を有するブログは、コンテンツマーケティングの一番重要なコンテンツだ。
今回は、コンテンツマーケティングの核とも言えるブログの成功事例を紹介する。ここで紹介するブログは、圧倒的なPV数とブランドを有し、運営会社の売上に大きく貢献している。
LIGブログ
まず紹介したいのが、コンテンツマーケティングの代名詞とも言える「LIGブログ」だ。元々は小さなweb制作会社としてスタートしたLIGだったが、ブログを公開してコンテンツマーケティングに力をいれて運用した結果、「web制作と言えばLIG」と認識される程のブランドを構築することに成功している。
月間700万PVという圧倒的なPV数
LIGブログの特徴はなんといってもその圧倒的なPV数であろう。月間700万PVにも達すると言われるこのブログは、その圧倒的な集客力を武器に、自社メディアの広告枠を販売するレベルにまで達している。
本業の売上に直結する。
月間700万PVのブログは、広告枠の販売で収益をもたらすだけではなく、本業のweb制作の受注にもつながっている。情報に敏感な経営者や個人事業主達は、常にネットで情報を収集しており、有用な情報を発信しているLIGブログを訪問している可能性は高い。その証拠として、このブログを知っているweb業界以外の経営者や個人事業主は非常に多い。普段LIGブログを訪問している彼らがweb制作を依頼するときは、確実にLIGが制作会社の候補に入ることは間違いない。
様々な企業とのタイアップ
大量のPV数をもつLIGブログは、顧客だけではなく、法人も引き寄せている。最近で言うと、web専門学校とタイアップして、web教育の事業を展開している。ただ技術を教えてもらえるよりも、700万PVという実績がある企業にwebを教えてもらいたいと思うのは私だけだろうか?
採用に効果を発揮する、ノウハウ記事
web制作会社が運営するブログなだけあって、webやデザインに関する技術系記事が多い。web制作者や、webの勉強している人が、わからないことをググると高確率でLIGのブログに行き当たる。web制作会社だからこそ書ける専門的な記事を発信することで、専門的な情報を求める同じ業界の人間にも愛されるブログになっているのだ。
人材採用の費用がゼロに
web制作会社が、web制作者の集まるブログを運営する一番のメリットは採用にある。本来、企業が採用活動をする場合、人材系の会社に登録して、何十万、何百万というお金を支払い、人材を募集する。しかし、LIGは自社のブログで求人の募集をするだけで、今までLIGのサイトで勉強をしてきたエンジニアたちが応募してくるのである。
入社希望者のロイヤリティが高い
従来の人材系の求人から紹介されて、新たに人を雇うよりも、自社ブログから応募してきた人間を雇うほうが圧倒的にリスクが少ない。なぜなら、自社ブログから応募してきた入社希望者は、入社する前から、会社に対する愛があるからだ。そういった会社に対するロイヤリティが高い人材は、どこでもいいから働きたいと思って入社する人間よりも、確実に大きな成果を残すことに疑う余地はない。
ところどころに見える遊び心
LIGブログが他のブログと違うポイントとして、遊び心という点を忘れてはならない。
広告が広告に見えないデザイン
ブログを見ると一目瞭然なのだが、記事一覧のサムネイルの作り方や、全体のデザイン、掲載されている広告のデザインが非常にうまく作りこまれていて、広告がサイトの一部として溶け込んでいる。
明らかな広告が全面的に押し出されているサイトが増えている中、広告を広告に思わせないようなデザインでブログを運営しているLIGは流石とも言える。
ネタ記事の多さ
技術的記事の他に、会社一丸となってバカなことをするネタ記事も多く掲載されている。技術的にわからないことがあって、google検索から記事を読みに来たユーザーも、関連記事の面白そうな記事をついつい読んでしまうだろう。
会社ぐるみで面白いことをしていると全面的にアピールすることにより、会社のイメージがよくなるだけではなく、こんな会社で働きたいと思う入社希望者も増え、採用にプラスの効果を与えている。
バズ部
2. バズ部
次に紹介するのは「バズ部」というブログだ。先ほど説明したLIGと比べて、知名度は劣るが、その専門性の高さは一見に値する。LIGブログがweb制作以外のネタ記事のような本業以外の記事を公開しているのとは対照的に、バズ部は本業であるネットマーケティングに必要なweb技術やライティング技術などの専門的な情報に特化して記事を公開している。
他ブログにはない専門性の高さ
バズ部の一番の特徴は専門性の高さである。コンテンツマーケティングに特化しているバズ部では、コンテンツマーケティングで必要とされるwordpressの運用方法や、webライティング、SEOなど、技術的ノウハウコンテンツを発信している。
一つ一つの記事の情報量の多さ
専門的なノウハウコンテンツを提供しているバズ部は、1つ1つの記事に有益な情報を大量に掲載して、ユーザーの要望を隅々まで満たしてくれる。
その専門性の高さから、記事を読んで、役に立ったと思ったユーザーがSNS等で拡散することにより、多くのユーザーに記事が読まれるようになった。
技術に裏打ちされた、数多くの実績
バズ部はその技術力の高さから、多くのweb制作やwebコンサルティングを受注して、成果を残している。そして、その実績を自社ブログで公開することによって、さらなる新規顧客獲得につなげているのである。
ただ作るだけのweb制作会社が乱立している昨今、webマーケティングまで指導してくれるバズ部は貴重な存在である。
コンテンツマーケティングのお手本のようなブログ
コンテンツマーケティングのコンサルをする企業が運営するコンテンツマーケティング用のブログであるバズ部は(言葉遊びのようで申し訳ない。)、自社ブログ自体が販売する商品である。コンテンツマーケティングのお手本のようなブログ運営ができなければ、顧客が来ないことは覚悟の上で、お手本のようなブログを構築したバズ部はコンテンツマーケティングの目指すゴールと言っても過言ではないだろう。
各記事の下にCTA(コール トゥ アクション)
バズ部の記事を読んでもらえればわかるが、各記事の下にebookをダウンロードするエリアが存在する。これはCTA(コール トゥ アクション)と呼ばれる記事を読んだユーザーを顧客に繋げるための施策である。CTAはコンテンツマーケティングの基本であり、バズ部自体推奨している。
バズ部の記事の特徴は、専門的なため文章が長いことだ。その長い文章を最後まで読むユーザーは、その記事から何らかの恩恵を受けている確率が高く、おのずとそのユーザーがebookをダウンロードする確率も高くなるだろう。
wordpressテーマを公開
バズ部は、自社で使用しているwordpressテーマを公開している。wordpressをあまり知らない読者に軽く説明すると、wordpressというのはブログシステムのことで、世の中の多くのメディアやブログがwordpressで運用されている。ちなみに、このブログもwordpressで運用している。
自社で開発した製品を無料で配布することにより、多くの技術者がバズ部の製品を使うようになり、バズ部の知名度を高める手助けをしてくれている。
リーディング&カンパニー株式会社
3. リーディング&カンパニー株式会社 | もっとクリエイティブなやり方があるはずだ。
バズ部に引き続き、コンテンツマーケティングのコンサルティングをしている企業を紹介する。バズ部がSEOやwordpressなどの技術的なノウハウ記事を発信しているのに比べて、このリーディング&カンパニーは、読み物系の記事を発信している。記事の面白さから、多くのシェアを獲得して、短い運用期間で多くのファンを有するメディアとなった。
コンテンツに対する想いの高さ
コンテンツマーケティングには「Contents is King」(コンテンツが王様) という有名な格言が存在していて(ビル・ゲイツが言ったと言われている)、そのコンテンツイズキングを地で行っているのがこのリーディング&カンパニーだ。
1つの記事にかける労力と時間
このメディアの記事は本当に面白い。一度、興味のありそうなタイトルの記事を1つ選んで、読んでみて欲しい。記事のクオリティの高さに驚くであろう。それもそのはず、ここのサイトに載っている各記事は平均して40時間ほどの時間をかけて、多くの文献やサイトを読み込んで、丹念に作成されているからだ。
1時間もかけずに書いたブログ記事が大量に量産されているネットで、才能のある人物が時間と労力をかけて作成した記事は希少な存在である。記事のクオリティの高さこそが、このブログが他のブログを寄せ付けない理由である。
量より質
コンテンツマーケティングをしようとする企業が陥りがちな失敗は、中身のない記事を大量に量産してしまうことである。1時間で書ける記事を40個作成しても、その記事のクオリティが低ければ、ネットという情報の波にすぐに飲み込まれてしまうだろう。しかし、40時間かけて1つのハイクオリティな記事を書き上げることができたならば、その記事は向こう何年もの間、大勢の人に読まれる記事になるのだ。
拡散力の高さ
悪い記事は無視され、良い記事は拡散される。それが現代のネット社会である。
異常なほど拡散されるコンテンツ
リーディング&カンパニーの記事のSNSのシェアボタンの部分を見ていただきたい。ほとんどの記事が何万というシェアやいいねを獲得している。これほどの拡散力を持っているメディアは大手のメディアでもめったにない。
このシェア数をみてわかるように、内容の薄い記事を1000記事作ったとしても、このブログの1記事よりも影響力が圧倒的に低い。あなたが大量の記事を量産したり、SNSで無意味なツイートを繰り返して、意味のないPV数を稼いでいる間に、このブログは1記事で何万人に情報を届けているのだ。
検索結果で上位表示されるワードの多さ
「マリッサ・メイヤー」という単語でgoogle検索をすると、このブログの記事が2番目に表示される(2016/01)。マリッサ・メイヤーというのは、米YahooのCEOで多くのビジネスマンが憧れるビジネスウーマンであり、様々なビジネス情報誌に登場する著名人である。そんな世界的な著名人の名前を検索して、上位に表示される程、このブログはgoogleから評価されているのである。
googleは検索アルゴリズムを常に改善し続けていて、コンテンツの内容が良いものを上位に表示できるように常にシステムを変更している。そのgoogleに認められるためには、誰もが認めるコンテンツを制作することが必須条件なのである。
ここで紹介した3つのオウンドメディアは、最初は小さな会社や個人が発信していたブログである。しかし、確固たる信念を元に、コンテンツマーケティングを継続することで、今や多くの人が知るメディアとなった。
あなたがブログを始めたとしても、最初はだれも読んでくれないだろう。しかし、誰も読んでくれないからといって諦めずに、あなたにしか発信できない良質なコンテンツを提供し続けることで、いつか顧客をつれてくるようなメディアに進化するのだ。
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